ミヤジマ社長 宮嶋誠一郎のコラム
【令和3年(2021年)8月のコラム(第248号)】

ANKER社のホームページよりsoundcore2
1.ブルートゥース・スピーカー
ここ一年ほどの間に買った物で一番のお気に入りは「ブルートゥース・スピーカー」だ。
スマホと無線でつなげるスピーカーのことである。
最近のスマホはとてもよく出来ているので、それ自体でも結構いい音するのだが、音楽を楽しむとなると少し物足りない。
そこでブルートゥース・スピーカーを買おうとAmazonのサイトで調べてみた。
最初はカッコイイBoseやJBLにしようかと迷ったが、2台ペアリングしてステレオサウンドが楽しめるというのでANKERのSoundCore2を選んだ。
結果これが大正解だった。音がよく、しかも安い!(買った時はなんと2台で1万円弱)
私は音楽が大好きで、クラッシックからJAZZ、ポップス、フォーク、演歌まで何でも聴く。
学生時代はバイト代のかなりの部分をレンタルレコード代に注ぎ込んでいたほどだ。
ところが今はYoutubeというとんでもなく便利なものがある。
タダであらゆる音楽や映像が視聴できるのだ。
しかもYoutube Premiumという月額1,550円の有料サービスに入れば鬱陶しい広告が出てこない。
そういうわけで私は家でパソコン開いて仕事する時も、ウィスキーのオンザロックを片手にのんびりする時も、スマホとブルートゥース・スピーカーのおかげで様々な映像や音楽を楽しめている。
おもしろいのは「聴き比べ」ができるチャンネルがあることだ。
たとえばベートーベンの「運命」やチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、ショパンの英雄ポロネーズなど名曲の聴き比べが実に楽しい。
同じ曲でこんなにもイメージが変わるのかと、ついハマってしまう。
最近感動したのは日本が誇る世界の指揮者、小澤征爾さんの演奏だ。
曲はブラームスの交響曲第1番で、サイトウキネン・オーケストラを1992年9月5日に指揮されたものだ。
演奏はもちろんだが、小澤征爾さんの表情にも痺れてしまった。

ブラームスの交響曲第1番(33:10からがもっとも有名な部分でしょうか?)
また、コンサートマスターの潮田益子さん(亡くなられたのが実に残念です)ほかオーケストラの楽団員の真剣な表情にも息を呑む。
小澤征爾の指揮でこの名曲を演奏できることを誇りに思い、最高の緊張感の中で楽しんでいることがひしひしと伝わってくる。
演奏が終わった途端に涙が溢れるような、まさに感動の演奏だった。
会社も小澤征爾さんのように指揮できれば・・・と思うのだが、甚だ夢の世界である。

小澤征爾が45歳の時、帝王カラヤンへのインタヴュー(1981年 in Paris 8分19秒)
「Don't conduct so much.」というカラヤンのひと言は、組織をまとめる者の神髄だと思いました
【令和3年(2021年)6月のコラム(第246号)】

1.待つコツ
誰しも待たされるのは嫌である。
私の親父なんぞ、道が混んでいると、なんとわざわざ行き先とは反対側に向かうのだ。
「こんな方に行ったらむちゃくちゃ遠回りやないか!」というと、「うるさい!わしは待たされるのが嫌なんぢゃ!」とのこと。
たしかに「急がば回れ」ということわざはあるが、「オヤジ、もう80近いんやから、そこまで急がんでもええやないか」と思う。
でもまあこれは親父の「性分」なので、今さら仕方あるまい(とはいえ、いつまで運転させるかだが・・・)。
でも私について言えば、最近少しだけ「待つ」ことが苦でなくなったように思う。
なぜか?
それは「待つコツ」が少しわかったからかもしれない。
あるとき、コンビニでたまたま一冊の本が目に留まった。
たしかそれは「東大法学部首席卒業」の女性国際弁護士さんの本だったと思う(買っていなくてスミマセン)。
そこにはこんなことが書かれてあった。
「私はいつでもカバンの中に一冊の本を入れている。その理由は、もし何かで待たされた時、それをサッと取り出して読めばよいからである。それがたとえ1、2分であってもいい。自分は時間に支配されたくない。だからそういう習慣をつけることで待つことが苦ではなくなり、しかもたくさん本が読めるのだ」と。
これを読んで「なるほど!」と思った。
こうすれば、「待たされる」という受け身ではなく、自分から「待つ」という能動的な時間を過ごせることになる。
つまり、「主体性のある待ち方」ができるわけである。
これ以来、自分もサッと本を開いたり、スマホでスケジュール確認や調べものをしたりするようになった。
だからもちろん、イライラすることもない。
ただ一つだけ、困ったことがある。
それは、ついうっかりそれに集中してしまって、「待っていることを忘れる」ことがあるのである。
つい先日も、駅のホームで本を読み出してしまったがために、新幹線を乗り過ごしてしまった・・・。
「アホにつけるクスリはない」といわれるが、そういうクスリの出現を、「待つ」ばかりである。

6月5日(土)、ある経営勉強会で何年ぶりか忘れたくらい久しぶりに琵琶湖の竹生島へ行ってきました。
長浜から船に乗り、船上では同じ会の皆さんとずっとお話をしていたのですが、
島に着いてからは江の島・宮島と並ぶ「日本三弁財天」の一つで、
三つの中では最古といわれる竹生島弁財天様にお参りしてきました。
久しぶりに登った165段の石段はキツかった!!
上の写真は龍神様拝所の「かわらけ投げ」の鳥居です。
【令和3年(2021年)5月のコラム(第245号)】

田植え前の「代掻き(しろかき)」作業 2021.5.4
青空の下、向こうに見える青龍山の姿が水面に映ってとても美しかったです
1.デジタルとアナログ
今さら言うまでもなく、世の中はインターネットで様変わりした。
もう随分前に、高校時代の友人で野村総研に行っていたY君からの年賀状に「これから世の中はインターネットというもので変わりますよ」と書いてあったのを鮮明に覚えているが、まさにこのことだったのだ(Y君は高校時代も今もすごいナ)。
知りたいことは何でもネットで調べられるし、文書や写真も一瞬で世界中に送ることができる。
Amazonが最初に「ネット上の本屋さん」として登場した時に、凄い名前で凄く便利なものができたなと思ったが、今ではあらゆるものがAmazonで買え(なんとお葬式の坊さんも注文できるそうだ)、もう世界を席捲しているといっても過言ではないだろう。
そのAmazonで昨年買った物の中でいちばん重宝しているのはANKERというBluetoothスピーカーである。
私は音楽が好きで、家で本を読んだりパソコンに向かう時にYoutubeで音楽をよく聴くのだが、このスピーカーでいっきに音の世界が広がった。
快適なことこの上ない。
実はJBLやBOSEのものにしようかと悩んだのだが、ANKERのは2台つなげてステレオ再生ができ、しかも2台で約1万円というお手軽さに惹かれてこれに決めた(口コミを見ると、第2世代の新型はあまりよくないようなのでご注意を)。
最近うれしいことにYoutube Premiumというのが出来て、月額千円ちょっとでうっとうしい広告が出なくなり、家での読書や仕事がますます快適になった。
こういうことが「ふつうに」できるようになったのも、SONYの井深さん・盛田さんやMicrosoftのビル・ゲイツさんたちが開発してこられたデジタル技術のおかげだが、これから世の中がどんなに進化しても変わらないことがあると思う。
それは、人間の身体はアナログだということである。
いや、身体だけでなく、心も同じだろう。
人間の心や感覚は、決して0か1かで表せるものではない(どんなにbit数を多くしたとしても)。
最近は本も新聞もスマホやタブレットの画面で読めるようになり、知りたい記事も検索キーワードで一発で引き出せる。
実に便利だ。
でも自分は本も新聞も「ながめる」のが好きだ。
たしかに時間はかかる。途中で居眠りもする。「あれ、どこに書いてあったかな」と探すのは一苦労だ。
でも、紙面をながめていると、突然文章や記事が光り出すときがあるのだ。
「ああ、なんちゅうええ文章や」と惚れ惚れしたり、「なんとこんな新しい技術があるのか?」と驚くことがままある。
まあ言ってみれば、本や新聞の中をぶらぶら旅しているようなものだろうか。
今年からミヤジマファームでの稲作も始めた。
まだよちよち歩きにも至らないまったくの初心者だが、幸いよい師匠がいてくれるので安心だ。
長靴を履いて田んぼに入るとき、「やっぱりアナログってええなあ・・・」と思うのは僕だけだろうか。

稲作歴三十年以上のベテランである弊社の製造部長に教えてもらいながら
私もトラクターに乗って代掻きをしましたが、ハンドル操作を誤って畦(あぜ)を
壊してしまったり、なかなか真っすぐ平行に進まなかったりと悪戦苦闘でした。
やっぱり何ごとも経験ですね(^_^;)
【令和3年(2021年)4月のコラム(第244号)】

井上陽水 「いつのまにか少女は」 Youtubeより 1992年 日本武道館コンサート
1.いつのまにか少女は
いつのまにか 青い空が のぞいてる
思いつめた 黒い雲は 逃げてゆく
君は どこで生まれたの 育ってきたの
君は静かに 音もたてずに 大人になった
白い膚が 光に触れ まぶしそう
髪の色は 青い空に 浮きたって
燃える 夏の太陽は そこまできてる
君は季節が 変わるみたいに 大人になった
いつのまにか 「愛」を使う ことを知り
知らず知らず 「恋」と遊ぶ 人になる
だけど 春の短さを 誰も知らない
君の笑顔は 悲しいくらい 大人になった
1973年につくられた井上陽水の歌の歌詞であるが、いつ聴いても胸にしみる。
私には娘が三人おり、おかげさまでこの春、三女が大学院を卒業した。
こんなことをいうと彼女に叱られそうだが、三人の中で一番勉強ができない子だった。
でも中学校の時に、家の近所のよい先生に教わったおかげで英語が好きになり、
高校でも英語が得意科目になって私立の外国語大学に進んだ。
そこでカンボジアの学校のない地域の子どもたちに英語を教えるボランティア活動に参加し、人のために役立つことの楽しさ、すばらしさを知ったのだろう。
大学4年生の時に「お父さん、大学院にいきたいんやけど、いっていい?」と訊くので、「もっと英語を勉強したいんか?」と返すと、英語ではなく国際的なボランティアの勉強がしたいのだという。
なんやわけのわからんことを言いよるなと思ったけど、そんなことを自分から言うのは初めてだったので「かまへんよ」と答えたところ、そこから私もびっくりするほど猛勉強を始め、さらに驚くことについに難関国立大学の大学院に受かってしまったのである。
ほんとビックリ仰天とはこのことか!
そこで娘が入れてもらった研究室は殆んどが海外からの留学生で、英語が日常語だとのこと。
そういった環境の中に身を置いたせいか、娘も途中で休学してアフリカなど海外までボランティアや政府機関の現地職員見習いとして行っていた。
そんなこんなで、2年のところを4年かかって卒業したのだが、卒業式の日には上の二人の娘も休みを取ってくれたので、久しぶりに家族そろって三女の卒業式をお祝いしてあげることができた。
娘たちの許可がもらえないので写真を出せないのが残念だが、三人娘そろっての笑顔を見て、本当に幸せな一日であった。
陽水の
「君は静かに 音もたてずに 大人になった」
「君は季節が 変わるみたいに 大人になった」
「君の笑顔は 悲しいくらい 大人になった」
という歌詞を聴くたびに、胸がキュンとなるのは僕だけだろうか・・・。
春は大好きな季節だが、少しさびしい季節でもある。

当社ではこの春も新入社員を迎えることができました。
大切に育てられた大事な息子さんをあずかるものとして、
なおいっそう経営に精進したいと思います。