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Miyajima News
2017年4月8日
過ぎにし春 2.気がつけば社長業、15年
【H29年(2017年)4月のコラム(第196号)】
「御室桜」の木版画 / 井堂雅夫
1.過ぎにし春
先日、久しぶりにクラッシックのコンサートに行き、とても美しい曲を聴きました。
ノルウェーの作曲家、グリーグの「過ぎにし春」という曲です。
(↑画像をクリックすると、YouTubeにリンクします。是非聴いてみてください。)
この曲のタイトルからは、美しく咲いた桜が散ってゆくような春の儚さ、物悲しさを歌っている
ように思えますが、実はそれはとんでもない間違いであると小澤征爾さんがコラムに
書いておられるのを見つけ、びっくりしてしまいました。
というのは、この曲の原題はドイツ語で「Letzter Fruhing」、英語に直すと「Last Spring」という
のですが、これをそのまま日本語にするなら「最後の春」と訳すのが正しいからです。
「過ぎにし(過ぎてしまった)春」の次には夏が来て、そして秋、冬が過ぎてまた来年には
春が訪れます。しかし「最後の春」となると、その重みがまったく違ってくるというのです。
その小澤征爾さんの説明を読んで、昔ある方がこんなお話をされたことを思い出しました。
「自分は何度も大きな手術をした。でも完治したわけではない。いつまた病状が悪化して、
死がやってくるやもしれぬ。そう思いながら芹川沿いに咲く桜をながめると、これがわが人生
最後の桜になるかもしれないな・・・と、なんともいえない気持ちになった」と。
自分はおかげさまで健康で、当たり前のように毎日を送ってしまっています。
でも人生は本当に一度限り。
今日という日も今日しかありません。
まさに「一期一会」」なのです。
この気持ちを忘れず、大切に、今年の桜をながめたいと思います。
2.気がつけば社長業、15年
私は平成14年の4月1日、39歳のときに父から社長を引き継ぎました。
ということはこの4月で丸15年になり、16年目に入るのですが、
4月初日の朝礼では入社式のことが頭にあって、このことをすっかり忘れていました!(笑)
ネットで「社長・在任期間」というキーワードで検索してみると、社長は9年で交代するのが
もっともよいという記事がありました。会社の業績だけを考えると、長く在任した社長の方が
業績を伸ばしているそうですが、その場合、次の代で問題が起こることが多い。かといって
短か過ぎては長期的な視野での改革ができない。だから9年くらいがベストだというのです。
もしそうだとすると、自分はもう交代せねばならないことになるのですが、
まだまだやりたいこと、やらねばならぬことが、いくつかあります。
上に書いた「一期一会」の気持ちを大切にしながら、いつかは来る「バトンを渡す日」のことを
頭において、しっかりと社長業16年目に取り組みたいと思います。
4月3日(月)の入社式にて
彦根工業高校から来てくれた徳田慎介くんと
鍛造の八木工業ポーランドさんからいただいた菜の花畑の写真
春は世界中どこへ行っても美しいですね!