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Miyajima News

2024年8月5日

愚痴は言っても 本当の愚痴は言わない

 「愚痴は言ってはいけない」よく聞くことですが、人間そこまで強い人ばかりではありませんし、誰しも程度の差はあれ愚痴は言っているのではないでしょうか。「愚痴とぼやきはからだの毒」ミヤジマISMにも書いてあることですが、私は愚痴には2通りあると思ってまして、単なる愚痴とかぼやきは、これは間違いなくからだの毒であり、私はこれを「本当の愚痴」と呼んでいますが、「言ってもいい愚痴」もあると思っています。

 では言ってもいい愚痴ってどんなんなのかと言いますと、明日へのパワーへとつながる愚痴です。例えば今、景況は厳しいですが、そのことを「たまらん、なんでこんなに景気が悪いねん」と嘆くだけは単なる愚痴、本当の愚痴です。そこでストレスを吐き出し、「どうすれば打破できるのか」と前向きに切り替えられるのであれば、その愚痴は大いに意味がある愚痴になります。「他人と過去は変えられない、自分と未来は変えられる」「禍福は糾える縄の如し」、そんな考えにシフトチェンジできると思います。
 京セラ創業者 稲森和夫さんのお話で、中国の司馬光という人が書いた『資治通鑑』という本の話がありますので紹介させてもらいます。人間の能力を「才」、人間性を「徳」とした場合、才も徳もある人は「聖人」、徳が才に勝る人は「君子」、才が徳に勝る人は「小人」、才も徳もない人は「愚人」だそうです。 

 会社に聖人や君子がいれば、その人をリーダーにすればいいのですが、なかなかそんな立派な人は見つかりません。そこで多くの会社では小人をリーダーにしてしまう。でもこれが危ない。才があっても人間性のない人は己の栄達のために会社を危うい方向に持って行く恐れがある。長い目で見れば、小人よりは愚人のほうが成長します、というお話です。
 これを愚痴に例えて言うならば、愚痴もぼやきも言わず困難に立ち向かえる人は「スーパーマン」、愚痴は言うが愚痴をパワーに変えて壁に立ち向かえる人は「凡人」、愚痴も言うし、他責にしまくる人は「論外」、愚痴も言わず、文句も言わず、誰にも悪い影響を与えず、自分の中にしまい込める人は「スーパーマン候補生」、どこの本で見たわけでもなく、私なりの勝手なランク付けです。
 現在の私のランクは凡人と論外の間でしょうか。せめて凡人になるべく、考え方だけは正しく、愚痴は言ってもいいと言いつつも、できる限り抑えることができるよう日々精進していきたいと思います。今月もよろしくお願いします。

株式会社ミヤジマ 代表取締役社長 宮嶋俊介

 

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