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Miyajima News

2019年7月31日

30年

【令和元年(2019年)8月のコラム(第224号)】 


愛知県の「愛・地球博記念公園」の中にある「サツキとメイの家」に行ってきました。
「となりのトトロ」の舞台になっていた昭和30年代の家をそのまま再現した建物
でしたが、ガラガラと音のする玄関の引き戸や、裸電球のぶら下がった畳の部屋など
とても懐かしく、まるでタイムスリップしたような気持ちになりました。

1.30年

ある公認会計士の先生が、よくこのようなことを言われていました。
「企業のP/Lをよくすることは、3年でできる。
 しかし、B/Sをよくするには10年かかる。
 さらに、社風をよくするには30年かかる。」と。

会社の会計のことを少し説明しますと、
P/Lとは「損益計算書」のことで、一年間の収入から支出を引いた残り、
つまり利益を示す表で、売り上げを最大限にし、経費を最小限にするよう
必死にがんばれば、なんとか3年でよい結果が出せるということです。

一方B/Sとは「貸借(たいしゃく)対照表」のことで、会社の現預金や
土地・建物・設備といった資産が、借入金でまかなわれているのか、
資本金や過去の利益の積み重ねでまかなわれているのかという
財務体質を示す表です。
これをよくするには、毎年の利益の積み重ねが必要ですので
最低でも10年くらいはかかります。

これを人の身体でたとえますと、がんばってダイエットをすれば3ヶ月で
体重は落とせるが、血液検査の各数値など、体質を表す諸々の数値まで
改善するには一年かかる・・・というようなイメージしょうか?

これらに対し、「社風」をよくするには、30年もかかるとおっしゃっていたのです。
なんと長い道のりでしょう!!!

人間、過去を振り返るようになればトシだと言われてしまいますが、
私は26歳の時に、お世話になった愛知県の会社を退職して現在のミヤジマに
入社し、今年で57歳になりますので「ちょうど30年と少し」経ったことになります。

さて、はたしてこの30年でミヤジマの社風はよくなったのでしょうか???

評価は決して自分でするものではなく、世の中の人様がしてくださるものですが、
ここ何年かでうれしいことは、社員の定着がよくなり、さらには社員が友達や
知り合いの人を誘ってミヤジマに来てくれるということが出てきたことです。

これは多少は社風がよくなったということかなぁ・・・と思うと同時に、
会計士の先生が言われた「30年」という数字の意味が、
「少しは」わかったような気がします。

これからも、一年一年の重みを噛みしめ、いい社風とは何かを考えながら、
努力していきたいと思います。


「サツキとメイの家」は、こんな美しい森の中にあります。
ぜひ機会があれば行ってみてくださいね!
(ただし結構な人気のため、予約が必要です)

└誠一郎のコラム