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Miyajima News
2017年5月14日
ボーッとする時間
【H29年(2017年)5月のコラム(第197号)】
梶田隆章物語 / 山本省三著・PHP研究所発行
1.ボーッとする時間
多賀町図書館の「新しく入った本」のコーナーで、素粒子ニュートリノの研究で
2015年にノーベル賞を受賞された梶田隆章さんの伝記を見つけて読んでみた。
実は「中学生向け」の本なのだが、文字が大きく、写真やイラストもたくさんあったので、
宇宙物理学などまったくわからない自分にぴったりだと思って借りたのがよかった。
まず勉強になったのは、「ニュートリノ」という名前の意味がわかったことである。
僕は「ニュートリノ」とはてっきり「新しい(ニュー)何か」を表すものだと思っていたのだが
それはまったくの勘違いで、「ニュートラル(英語で「中立」)」+「イノ(イタリア語で「小さい」)」の
造語で、「電気的にプラスでもマイナスでもない、小さなもの」という意味なのだそうだ。
恥ずかしながら、これはまったく知らなかった。
同書より引用
梶田さんはスーパーカミオカンデに代表される東京大学の研究施設で研究されているが、
もともとは超優等生だったわけではなく、出身地の埼玉大学に入って学んでいくうちに
宇宙の不思議への探究心が芽生え、猛勉強の末に東京大学大学院へ進まれたそうだ。
この本の中で、梶田さんは今の青少年に向けてこのようなメッセージを書いておられる。
「自分が小中学校の頃には、つねにボーッとしていたように思います。今思えば、そうした
時間を過ごしたことがよかった気がします。考えるでもなしに考える時間が、いまの子ども
たちには足りないのではないでしょうか。ボーッとした中から何か大切なものが生まれる、
そんなふうに感じています。」
「中学生くらいのときには、あまりこうなりたいと決めつけなくてもよいと思います。
高校、大学と進んでいく間に、だんだんと選ぶようにすればいいのです。」
梶田さんと自分とはまったく比べ物にならないが、自分の小中学生の頃はどうだったかなと
思い返してみると、小学校の家庭訪問で母が先生にこんなことを言われたことがあったそうだ。
「宮嶋君は授業中、じっと前を見て真剣に聞いているなあと思って当ててみると、
実はボケーッとしていて、『はぁ?』ということがよくあるので注意してください」と。
うーん・・・これは今もぜんぜん変わっていないような・・・(汗)
今の子どもたちは、受験戦争に勝つため学校が終わっても塾、塾で詰め込み過ぎのように
感じられなくもない。でも梶田さんのおっしゃるように「ボーッとする時間を持ち」、
自分の中から何かのエネルギーが湧いてくるまで「じっと待つ」ということが、
子どもにとっても、大人にとっても、ある意味では大事なことなのかもしれないと思った。
ドイツのBerlinからICE新幹線でHammまで行き、
そこで在来線に乗り換えてHagenという町に向かう車窓からの眺め
ジャカルタへ向かうのに初めてバリ島のデンパサール空港経由で行き、
乗換時間を使って連れて行ってもらった空港のすぐ近くのジンバラン・ビーチ
4月下旬にドイツ、5月中旬にインドネシアと、続けて2回も海外に出張してきました。
その途中に上の写真のような美しい景色に出会うことができましたが、こうやって
いけるのも社員の皆のおかげです。あらためて感謝し、結果につなげたいと思います。