新着情報

Miyajima News

2015年11月7日

社員旅行で東名鍛工へ

【H27年(2015年)11月のコラム(第179号)】





             駿河湾の夜明け 2015.11.7



1.社員旅行で東名鍛工へ



今年1月から静岡市清水区にある東名鍛工(株)の経営を引き継ぎ、10ヶ月が経ちました。

この間、私と常務(弟)は毎週少なくとも1日は東名鍛工へ行き、それ以外にも何人かの

社員は出張支援してくれましたが、ほとんどの社員は話を聞くだけで行ったことがなかった

ため、今年は東名鍛工の見学をかねて静岡へ社員旅行に行ってきました。



東名鍛工の事業を引き継いで、まず最初に取り組んだのが「5S活動」です。

ミヤジマでは2005年の8月にC-TPMという活動をキックオフし、その中で主に5S活動に

取り組んできました。早いものでもう10年になりますが、まだまだ不十分とはいえ、

10年前と比べるとずいぶんよい工場になったと思います。まずはその姿をぜひ東名の

皆さんに見せたいと、今年の5月の連休前に全員で滋賀のミヤジマへ来てもらいました。

よって今回の東名行きで、双方の社員がやっとお互いを知り合えたことになります。



私は今回の事業承継でミヤジマと東名鍛工は親会社と子会社という上下関係ではなく、

対等な「兄弟会社」であると言ってきました。どちらも軸物のアプセット鍛造を専門とする

鍛造会社ですが、どちらかというとミヤジマは「中、大物の小ロット品」、東名鍛工は

「小物の量産品」を得意としています。よって2社が一緒になることで、より幅広い範囲で

軸物のアプセット鍛造に対応できるようになると思います。



よく人から「何故わざわざそんなに遠くの会社を引き継いだのですか?」と訊かれますが、

私は「正直よくわかりません」と答えています。後継者不在で業績も芳しくなく、工場も設備も

老朽化し、更にはそこで働く人も高齢化が進んでいた会社ですが、ミヤジマに入社して26年、

ずっと鍛造という仕事にかかわってきて、同じ仕事で真っ黒になりながら一生懸命働く20名の

社員さんたちの姿を見て、「これを引き受けないわけにはいかんやろ?」と直感したというのが

本当のところです。



しかしながら、やはり経営を引き継いだ以上、赤字経営は許されません。

真剣に数字とにらめっこをしながら、財布の許す限り様々な課題に手を打っています。

ただひとつ、お金だけではどうにもならないものがあります。それは「人の心」です。

私は、「5S活動」こそがそれを動かす「根っこ」ではないかと思っています。

「5S」の最後の「S」は「Shitsuke 躾(しつけ)」、すなわち「身なりが美しい」と書きますから!



今回、東名鍛工を見学させてもらったミヤジマの社員の一人が、「初めてここに来た時と

見違えるほどキレイになっていて驚きました。工場だけでなく、働いている皆さんの表情まで

明るくなったように感じました。」という感想を述べてくれて本当に嬉しかったです。

まだまだ始まったばかりですが、末永く両社が成長発展していけるよう、さらなる努力を

積み重ねていきたいと思います。





  きれいになった食堂で、会社概要や5S活動の説明を聞きました





   独自のアプセット鍛造技術に会長(親父、右側)も感心





          みんな真剣な眼差しで見学





  インドネシアからの実習生も製品を手に取って「スバラシイ!」





            見学後、工場前で全員集合





晩は「焼津くろしお温泉」に宿泊 遠くに美しい富士山が見えました 2015.11.6



└誠一郎のコラム