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Miyajima News
2014年8月2日
運とはなにか?
【H26年(2014年)8月のコラム(第164号)】
3日から始まる「万灯祭」の準備で皆さん大忙しの多賀大社境内(8/1朝)
1.運とはなにか?
私たちはよく「あの人はなぜかいつも運がいい」とか「自分は何かにつけて運が悪い」とか
言うが、あれは何なんだろうと思う。運がいいとか悪いとか、本当にあるのだろうか?
松下幸之助さんが日本の将来を担う人材育成のために始められた「松下政経塾」では、
入塾面接で幸之助さんは必ず「あなたは運がいいと思わはりますか?」と尋ねられたそうだ。
また明治時代、日露戦争で日本は世界の大国ロシアに見事に勝利したわけだが、それを
終盤に決定づけたのは、日本海決戦を指揮した連合艦隊司令長官、東郷平八郎である。
ところが、実は東郷はそれまで海軍の中で無名に近い存在だったそうだ。
その東郷を司令長官に大抜擢した時の海軍大臣、山本権兵衛は、明治天皇に「なぜ東郷なのか?」
と訊かれた時、「東郷は運のいい男だからであります」と答え、明治天皇が納得されて決まったという
逸話もある。この場合の「運」とは、個人どころか国の運命を決めてしまうほどの大きな意味がある。
これら二つを考えてみても、「運の良し悪し」というものは「ある」と言わざるを得ないだろう。
それにしても、あらためて「運のよさ」とは何なのだろうか?
僕は「楽天思考」と「事前準備」の2点にあると思う。
たとえば道で転んだとする。
大抵の人は「くっそー!なんでこんなところでこけるんや!最悪!」と思うだろう。
でもある人は「痛ってぇー!でも、骨は折れなくて済んだ。ラッキー!!」と思うかもしれない。
まったく同じ結果、出来事に対しても、感じ方は正反対。
この「超プラス思考」、「楽天的な考え方」は、いわゆる「運のいい人」に共通しているように思う。
それともう一つが「事前準備」だ。
「幸運の女神は、準備をしたところを訪れる」という格言もあるほどだが、いわゆる「運のいい人」
というのは、実は普段から「こんなことが起こったらどうしよう?」とか「こんなものが世の中に
ないだろうか?」とかいうことを四六時中考えているものである。しかも少し耳慣れない言葉だが、
「有意注意」といって「単に注意する」のではなく、「有意すなわち目的意識が有る状態で注意する」
ということが身についているものだ。だからこそ、何かあってもびびらずに対処できるし、
もし探していたものが目の前を急に通過しても、「待ってました!」とすぐに飛びつくことができる。
狙った獲物を確実に撃ち落とす鉄砲魚のようなものである。
ところが「事前準備」がしっかりできていない人はトラブルにうまく対応できなかったり、チャンスを
逃してしまうものだから「自分は運が悪かった」と思う。
本当は「そうなるべくしてなっている」のだが・・・。
「運のよさ」とは、基本的にはこの2点で九割方決まると思っている。
「運も実力のうち」とよく言われるが、この2点は自分の心がけ次第でなんとかできるからだろう。
しかし、実はもうひとつだけ、「運のよさ」を決める要素があると思う。
それは「神様、ご先祖様の不思議な力」である。
僕自身、今まで何度か「なんで今、この瞬間にこんなことが起こるの?」という信じられないことで
助けられた経験があるが、こればかりはうまく説明できない。しかし、どう考えても雲の上から誰かが
そっと手を差し伸べてくれたり、背中を押してくれたような気がしてならないのである。
それを期待して・・・ということでは決してないが、今朝もお多賀さんに朔日参り、そして祖父母の
墓参りをしてきて心が洗われた。「見えないものへ思い」というものは大事だと思う。
今年ももうすぐお盆を迎える。