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Miyajima News

2013年7月28日

ロータリー休会

【H25年(2013年)7月のコラム(第151号)】





国際ロータリー2650地区の大会で講演される裏千家前家元、千玄室氏

     (2012年春/宝が池の国立京都国際会議場にて)



1.ロータリー休会



 この7月から1年間、ロータリーを休会することにした。悩み、考えた結果である。



私は今から14年前、36歳の時に彦根南ロータリークラブに入会させていただいた。

ロータリークラブというのは世界的な国際奉仕団体で、「お金持ちの仲良しクラブ」

とか揶揄されることもあるが、ポリオ撲滅や青少年の育成など、すばらしい活動を

展開している。かの松下幸之助さんもロータリーメンバーだったそうである。



 私はロータリーに入れていただいたおかげで、本当にたくさんのことを学んだ。

数年前に会社の50周年の会を開いた時も、企画から準備、当日の進行など、

ロータリーでいろいろな行事を経験していなかったら絶対できなかったと思う。

また、入会するまで地元には仕事上の方以外、まったく知り合いがいなかった。

ロータリーに入会したおかげで、いろいろな業種の素晴らしい方々とお付き合いが

できるようになった。楽しい経験も沢山させていただいた。

「百杯のお茶より、一杯の酒」ということを教えてもらったのもロータリーである。



 そんな僕も、昨年50歳になった。



人生は一度限りである。自分で言うのもなんだが、それなりに努力してきたし、

周りの方々のおかげで結果も出せてきたと思う。・・・しかし何かちがう・・・。

手帳はいつも予定がびっしり。急にお客様が来られても、次の予定が詰まって

いるので顔をひきつらせながら心ない応対をせざるを得ない自分。

毎朝早く出勤してはいるものの、下手をすると新聞を読むタイミングを逸してしまい、

すぐに新聞が“未読古新聞”になってしまう。机の上はいつも書類が山積み。

郵便物も経理の女性が急ぎで回してくれるもの以外は目を通せないままてんこ盛り。



昔は見積りや材料手配、金型設計など、全部自分でしていたものを、今はほとんど

任せられるようになったので暇になっていい筈なのに、何故か逆に忙しくなるばかり。



中野プランツさんのシールより)



「これでええんか!?」



50という節目を迎え、真剣にそう考えるようになったわけである。



自分を客観的に見てみると、本業以外にロータリーのほか、経営の勉強会、

鍛造業界の会、銀行の会、行政の会など、さまざまな会に関係している。

もちろんそれぞれ意味のある、大事な会である。



しかし、自分の周りで「すごいなあ」と感じる何人かの社長友達を見てみると、

共通点はただ一つ。「本業以外のことは極力やらない」という点に尽きる。

経営というものは、そう甘いものではないのである。



 人生は一度限り。友も大事、楽しむことも大事。しかし、経営者というものは

やはり会社を伸ばすことに最大の努力をしなければならないと思う。

これは決してお金のためではない。単に会社を大きくすることが目的でもない。

最大限の努力を通じて、社員やお取引先、家族、友人と得られる喜びこそが

本当の幸せであり、自分がこの世に生まれてきた意義・役割を果たすことになる

のではないかと思う。



ロータリーはよい会だ。だから辞められなかった。本当はもう少し年を重ねて

経営を任せられるようになってから復帰したいところだが、そう何年もは休めない。

だから一年だけ、わがままを言って休ませてもらうことにした。



この一年で何が変わるかわからない。

時間があいたとしても、敢えてできるだけ予定は入れないようにし、

「考える」ということにより多くの時間を費やしたい。

それで結果、どう変わるのか?



自分ながら少しプレッシャーでもあり、大きな楽しみでもある。





京セラ創業者 稲盛和夫氏が社長時代に机の上に置いたおられたという

「考えよ」のプレート(京セラホームページより)

└誠一郎のコラム