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【Ｈ２３年（２０１１年）５月のコラム・その２（第１２１号）】







１．ラクダ・バー



　東京銀座の裏通りに「ラクダ・バー」という店がある。

何年か前、人に教えてもらって行った「Ｏ」という小料理屋さんの近くにあって

帰りにふと寄った店なのだが、なぜかとても気に入っている。



　一度何人かまとまった人数で行こうと思い、事前に電話して確認しようとしたら

ネットやＮＴＴ番号案内で調べても出てこない。「まあ空いてなかったら仕方ないか」と

一か八かで行ってみたら偶々座れたのだが、それを年配のマスターに言ったら

「電話予約していくようなの、そんなのバーじゃねえよ。だから番号載せてないの。」

とのこと・・・ますます好きになってしまった。



　カクテルはあまり詳しくないが、昔神戸のＪＡＺＺピアニスト、小曽根実さん（小曽根真の

お父さんです）に教えてもらった「スティンガー」というカクテルをOn The Rocksで頼んだ時、

ブランデーは何ですか？と訊いたら「これにはヘネシーしかないよ」とだけ返ってきた。

以来、単純な僕はヘネシーを使わないスティンガーはスティンガーじゃないと信じて

その味を楽しんでいる。



　グルメ本やネットで調べたのでは行けない店が少なくなったが、そういう店を大事にしたい。