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Miyajima News
2009年8月12日
丹波あじさい寺
【H21年8月のコラム(第95号)】
8月3日の会社の帰り、ふと思い出して地元多賀大社の万灯祭に行ってきました。
汗だくの暑さでしたが、数えきれないほどの提灯の明りに、なんとも心が和みました。
1.丹波あじさい寺
京都府の中西部、福知山市に「丹波あじさい寺」というお寺があります。
正式名は「高野山真言宗 観音寺」というのですが、関西花の寺霊場 第一番札所として、
紫陽花の花が大変有名なので、通称は「丹波あじさい寺」と呼ばれているお寺です。
ご縁とは不思議なもので、私が経営のことをいろいろ教えていただくのに、ほぼ毎月通って
いたある社長さんのご自宅トイレに、このような日めくりカレンダーがかけてありました。
なんかあいだみつをさんに似ているなあ・・・でもこの絵と字の感じがいいなあ・・・と思い、
こそっと裏表紙に書かれてある住所にお電話して注文し、会社のトイレに掛けるようになりました。
数年前に、たまたま近くに行くことがあり、お電話してみたら偶々ご住職の小藪実英さんが
おられ、ご本人と直接お会いすることができました。
じつえいさんは元々は中学校の先生をされていたのですが、ご実家がお寺をされているため
先生を辞めて住職になられた方です。とにかく素朴な方だなあというのがこの時の印象です。
その後、社員や知人にもこの日めくりカレンダーをお贈りすることがあり、注文を兼ねて時々は
ご連絡をさせていただいていたのですが、今回またしても近くの同業者を訪問する機会を得、
その帰りにそこの専務さんの車に乗せてもらって二度目の訪問をしてまいりました。
今回は生憎あじさいの季節は終わっていたのですが、それでも境内には樹木がふんだんにあり、
斜面に造られたお庭を案内してもらいながら、心安らぐひとときを過ごさせていただきました。
↑境内にはこんな鶏(?)が放し飼いにしてあったり、たくさんのお地蔵様、慈母観音様があったりします。
その後お部屋に上げていただいて、暫くの間、同業友人のH専務さんと一緒にご住職と
お話する時間をいただきました。そんな中、私たちものづくりの業界が前年に比べて2割減
どころではなく、2割しかない(8割減)というような大変な状況で苦しんでいるというお話を
しましたら、じつえいさんは「月並みですが、とにかく世の中は山あり谷ありです。
その高さ深さや長さに差はあるものの、じっと辛抱していればかならず良い時がきます」と
励ましてくださり、さらにはこんな色紙まで書いてくださったのです。
本当に勇気づけられる言葉です。今は人生に深みを出す時か・・・と。
さらに帰り際には、こんなお話もしてくださいました。
「昔、伊達政宗が当主になる時、寺の和尚に当主の心構えは何かと尋ねたそうです。
その時和尚は、政宗の目の前で、おもむろに両手をパンパンと叩いたそうな。
それがどういう意味なのかわからず、政宗が面くらっていると、和尚は『これが人の上に
立つ者の心得じゃ』と言い、右の手のひらと左の手のひらを合わせた。これが片手だけなら
音は鳴らぬ。両手があるからこそ手のひらは鳴るのじゃ。人も同じ。お前一人で世の中を
響かすことはできぬ。お前の相方となる部下がいてこそ響かすことができるのだ。だからこそ
お前は自分が信頼できる部下をつくっていかねばならぬ。これが上に立つ者の要諦じゃ」
自分一人では何もできない。社員皆の力を借りてこそ今の苦境を乗り越え、更には成長
していくことができるのだということを、あらためて教えていただきました。
じつえい先生、本当にありがとうございました。
丹波あじさい寺
〒620-0803
京都府福知山市観音寺1067
住職 小藪実英さん
TEL 0773-27-1618
FAX 0773-27-4427